空飛ぶ車、実用に近づく

17日午前、大分市で、2人乗りの「空飛ぶクルマ」が試験飛行に成功した。これは国内初の有人飛行で、国土交通相の許可を受けた屋外で行われ、約30メートルまで浮上し、最終計測値で約400メートルを3分31秒かけて自動飛行した。この技術は、山間部への配送やタクシーなど、人手不足解消につながる可能性があり、国内外の事業者が実用化を競っている。

17日午前、大分市で、2人乗りの「空飛ぶクルマ」が初めての試験飛行に成功した。国土交通相の許可を受けた屋外で、約30メートルまで浮上し、最終計測値で約400メートルを3分31秒かけて自動飛行した。この技術は、山間部への配送やタクシーなど、人手不足解消につながる可能性があり、国内外の事業者が実用化を目指して競っている。

岡山県倉敷市の航空・自動車関連企業が組成する「MASC（マスク）」が、人工島から砂浜を向いて垂直に離陸した無人航空機を飛行させました。試験は2021年から開始され、搭乗した桐野宏司理事長は「振動を感じるものの、ふわりと浮かび上がる感覚で心地よかった」と話し、無事成功したと報告しています。
MASCでは今後も、人工島からの無人航空機の試験を続けていく予定です。

空飛ぶクルマは、電動またはハイブリッド駆動で、人が乗れる大きさで垂直に離着陸する技術です。滑走路が不要で、都市部の交通渋滞解消にもつながると期待されています。国内ではスタートアップのスカイドライブ（愛知県豊田市）やテトラ・アビエーション（東京・文京）などが無人や屋内での飛行を成功させています。

空飛ぶクルマの有人飛行は、大分市のMASCが国内初で、岡山に航空宇宙産業を集積させ、瀬戸内の離島や中山間地に人やモノを運ぶ交通、物流インフラの確立を目指しています。また、欧米企業も商用化を目指しており、25年の大阪関西万博ではANAホールディングス（HD）や日本航空（JAL）、スカイドライブなどが運航事業者として内定しています。

空飛ぶクルマの法整備が国内外で進んでおり、未来の交通手段として期待が高まっています。